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「大丈夫？痛いでしょう？傷、よく見せて」
「だいじょーぶやで！こんなんかすり傷やし大したことあらへん！！………い"っ、何すん」
「ほら、嘘おっしゃい。手当するからじっとしてて」
「……ありがとーな」
さも心配ですと言わんばかりにシャオロンの生傷手当する白々しいAのことを、愛し気にシャオロンは見つめていた。馬鹿なやつ。ど阿保なA。ご立派にお医者もどきを楽しみながら手当てをしてるんだろうが、患者のシャオロンはAの医療ミスでできた傷だと知っている。自分がわざとシャオロンにつけさせた傷。それを自ら手当しているのだから、Aのヒーローごっこにも呆れる。
その行為が俗に言うヤンデレだとか、孤立誘導型だとか、自作自演型だとかそんな俗語、今のシャオロンにはどうだっていい。
だってAが血と肉の塊でそれを骨が支えているにすぎない汚らしい下界の低俗な存在であることをシャオロンはきちんと理解しているのだから！
だから、羽が生えて何処か遠くへ飛んでいってしまう心配もないし、Aをカミサマだなんて高尚な存在だと思い込むような罪深いこともしない！！シャオロンはきちんと現実を理解しているのだ！
Aのことを、地獄から救ってくれるお釈迦さまだとか、1人の女神様だとか勘違いするヤンデレに振り回されてるカワイソウな悲劇のヒロインとシャオロンは違うし、事実に気付いたからってAから逃げ出してしまうような馬鹿なやつとも違う！
シャオロンはもっと賢い。
飼い犬が外の世界で首輪なしでは生きてゆけないことをきちんと理解している。いじめの蔓延る教室というゲージを用意されたのならば、そこでAに尻尾を振り続ければいい。何より良かったのは、シャオロンが他のどんなペットよりもAに愛されているということ。
Aの一番。それさえ守っていられるのなら、踏まれようが蹴られようが、殴られようが首を絞められようが刺されようが腸を弄られようが、どんなに辛いことだってAと性行為でもしているように、気持ち良くて仕方のないものに違いない！！だってそれもこれも、全部全部全部全部、シャオロンに対するAの愛故の暴力なのだから！！！！！
「すぐに助けられたら良かったのに、ごめんなさい、ごめんなさいねシャオロンくん」
「大丈夫、おれ、Aさんが助けてくれただけで十分嬉しいよ」
だからシャオロンは、喜んでAに飼い殺されるのだ。
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雨蛙躑躅(プロフ) - ハトポッポさん» コメントありがとうございます。己の好きを詰め込んだに過ぎないのですが、そんな風に温かいお言葉をいただけて雨蛙はこれ以上ないほどの幸せものですね！読んでくれてありがとう！これからも雨蛙をよろしくお願いします！！ (4月14日 13時) (
レス) id: 41dac67fa3 (このIDを非表示/違反報告)
ハトポッポ - 最高です。苦しくなるような美しい世界感が大好きです。 (4月14日 0時) (レス) id: c3e1e2758f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨蛙 | 作成日時：2024年3月25日 20時
