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「ねぇ、わたし、シャオロンくんには話し掛けるなって言ったはずよね？あなたは陰口を言う係、喋り掛けていじわるをする係じゃないわ」
「っごめんなさい、ごめんなさいごめんなさい」
「五月蝿い。言い訳も謝罪も必要ない。わたしはね？鈴木さん。あなたにお金を払っている。雇い主の言うことはきちんと聞かなくてはダメでしょう？」
優しく腫れ物でも触るように、苗字しか知らないルール破りのど阿呆な醜女の輪郭の縁をAは人差し指で撫でた。
「っひ、ぁ、」
「あなた、立場を分かっているの？馬鹿ね、わたしはあなたのいじめの証拠、全て握っているのよ？これを世間に晒せば、あなたは社会的に死ぬわ」
「あ、あなたが！Aさんがやれっていったから、わたしっ、私！シャオロンくんのこといやいやいじめていたのに！！！なのに私が社会的に死ぬですって！？！？ふ、巫山戯るのも大概にして！！貴方がやれっていったんだから、そうなれば貴方だって道連れよ！！そうでしょう！？！？」
「はぁ、五月蝿くて全くかなわないわ。キンキンキンキン…甲高い声で喚くのが随分とお上手なのね。んふふ、ねぇ、あなた。やっぱりお馬鹿さんね。大馬鹿だわ、まったく頭が弱すぎる。わたしが命令したって言ったわね？証拠はあるの？第一、頭の底辺な劣等生のあなたと、学年一位の優等生。世間は一体、どちらを信じるのでしょうね？」
はくはくと金魚みたく口を開ける醜女の顔を白魚のように滑らかな両手で包み込んで、芸術品みたいな美しい顔でAは笑った。恐怖からかグズグズと泣き出した彼女の眼球をぐいと覗き込んでAは言った。
「お金に目が眩んで人生を売ったあなたの責任よ、鈴木さん。ねぇ、あなた。嬉しそうにシャオロンくんのこと、いじめていたわね。教科書だって破いて、誰よりも楽しそうに陰口叩いて。かわいそう、可哀想だわシャオロンくんが。それなのに、いやいや、ですって？ふふ、んふふ、あははははは！！自己中心的って、何処までも醜いのね！」
瞳孔のきゅっと縮んだ黒目でAを見上げた彼女の濡れた頬を万札五枚ほどで軽く叩いた。
「明日の5限後、体育館裏にお友達の皆さんとシャオロンくんを呼び出してリンチしなさい。成功で追加五枚、チクリで社会的に抹殺。安心なさって、お金なら家が家業で成功していて有り余っているの」
「っふぁ、っはい…♡」
できるでしょう？そんな言葉に尻尾を振る彼女もまた、Aに飼われているのだ。
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雨蛙躑躅(プロフ) - ハトポッポさん» コメントありがとうございます。己の好きを詰め込んだに過ぎないのですが、そんな風に温かいお言葉をいただけて雨蛙はこれ以上ないほどの幸せものですね！読んでくれてありがとう！これからも雨蛙をよろしくお願いします！！ (4月14日 13時) (
レス) id: 41dac67fa3 (このIDを非表示/違反報告)
ハトポッポ - 最高です。苦しくなるような美しい世界感が大好きです。 (4月14日 0時) (レス) id: c3e1e2758f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨蛙 | 作成日時：2024年3月25日 20時
