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「おはよう諸君。本日は合同訓練を行う。従って、午後までに二人組を作っておきなさい。男女混合でもかまわない。では本日も業務に励むように。以上」
ぷちんとマイクが切れて、ふっと息をつく。人の目が恐ろしくて足がふるえて立てなかったので、朝の報告は放送に逃げてしまったし、結局両の瞼は腫れて、顔全体が浮腫んでしまった。
未だ沈んだこころとは裏腹に、今日の天気は快晴であった。
「A。珍しいな、目ェ腫らして。アレか?珍しくトントンに粛清でもされたか?なんでもええけど午後までにはどうにかしとけな。」
「…ロボロ、あの。あの、今日、ごめんね急に。」
「おん?イヤ別に…そんな謝るほどのことでもなくない?」
カコカコ下駄を鳴らしてロボロはやって来た。
天の字の下からハキハキと聞こえてくる声に、少し安堵する。この人はまだ、私を仲間として見ていてくれていると思った。
「なあ最近専務に入ったマリアさん知っとう?」
「あ、ええ、知っているけど」
「あの人綺麗よな」
「…そうね」
表情の見えない物言いに嫌な予感を感じつつ、肯定。
マリアさんという人は総統が数週間前連れてきた女性で、現在は専務についている。しなやかかつ艶やかな美しさを持つ女性である。
あの人のような見目であれば、私だって馬鹿にされないことと、Aは心の端で思った。
ロボロはAの方を見ずにべらべら喋った。Aはそれをぼーっと聞いていた。ぼーっと聞いていてもなお、ロボロの声は脳によく届いた。
その様をみて、ロボロは安心していた。こいつはやはり何を言ってもアンマリ気にしないんだろうと括っていた。
「Aさ、…なんか、マリアさんのこと見習おうとか思わんの?」
「、は」
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飼い主の姉(プロフ) - pnさんが夢主に狼狽する姿や描写が可愛くて好きです〜…!!🫶 無理しない程度に更新頑張って下さい! 応援しております (12月5日 14時) (レス) @page12 id: 5ee2b54502 (このIDを非表示/違反報告)
_maimai0101_(プロフ) - スキデス……夢主ちゃん頑張って〜〜〜〜!!!!生姜焼き太郎さんの世界観好きすぎます……!!!続き楽しみです🫶更新待ってます〜!!!!! (10月16日 17時) (レス) @page8 id: cc01457125 (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - 読みやすくて、とても面白かったです。続きも楽しみです🫶🏻🫶🏻 (10月16日 13時) (レス) @page8 id: d6054e066b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:生姜焼き太郎 | 作成日時:2023年10月15日 11時