三十六話 ページ39
とりあえずヒロインには丸マークしといた。
それだけでわかってくれたようだし。
その後の練習も、ゾムが「簡単すぎてしょうもないな」とか言いながら他種目の方へ行ったので、女子はやっと動き出した。
エーミール先輩もいたけど、そこまで目立ってるわけではなかった。
たぶん、運動はあんまり得意ではないんだと思う。
それでも他の人よりかは十分秀でてるけど。
まあ毎度のテスト500点近いからな。頭良すぎるしな。
今日はどの部活もなかったので、体操服を着ているヒロインは謎だった。
『えみりちゃん、なんで体操服なの?』
「ひとらんらん先輩と水やりするんだ。夏場は朝夕に水やりするでしょ?もう9月なのに凄く暑いし」
『ああ、畑とか花壇の…』
「Aちゃんも来る?」
『うーん』
ゲーム中に、ひとらんらん先輩がヒロインの珍エピソードを言ってヒロインが恥ずかしがるイベントがある。もちろん好感度上がる。
あれ、親友ポジの私に聞いたという設定になっている。いつかもどこかもわからないけど。
今…なのか?わからない。行ってみて、違うかったら帰ろう。
『じゃあ、ちょっとだけお邪魔してもいい?』
「え?…あ、うん」
見るからに驚いていた。
今私制服なんだが。もういいや。
「せんぱーい!」
「あ、来た……って、誰?」
一瞬でも残念そうな顔したのを見逃してはいない。
「親友のAちゃんです!」
『えと、初めまして…』
とりあえず緊張してるフリ。
「よろしく、俺はひとらんらん」
『よろしくお願いします』
ひとらんらん先輩は少し考え込むと、ヒロインに「えみりはあっちの水やりしといてくれる?」と言った。
あ、これ、絶対聞くやつだ。
ヒロインは「…え?」と目をぱちくりさせた後、濁った返事をして向こうへ行った。
私が戸惑ったフリを見せると、ひとらんらん先輩はシャワーで水を撒き始めた。
チラチラと向こうからヒロインが様子を窺っている。
「あのさ、君、えみりの黒歴史とか知ってる?」
『あ、はい。いっぱい知ってます』
「俺に教えてくれない?」
『わかりました。その時、えみりちゃんは中3だったんですけど……』
ヒロインの黒歴史、何のために覚えないといけないんだろって思ってたけど、ここで活きるとは。
いやーこういうのって私がいないと成立しないイベントなんだよね〜。
私だって普通の青春したいのに。頭の大半ゲームのことしかない。青春捧げてるようなもん。
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なな - 更新!ありがとうございますまぁぁぁす!! (5月12日 19時) (レス) @page48 id: cffe520b59 (このIDを非表示/違反報告)
無名 - 華斗さん» ありがとうございます!話が浮かんだ時に書くので更新はまちまちですが頑張ります! (4月24日 18時) (レス) id: 197d152f6c (このIDを非表示/違反報告)
華斗(プロフ) - 好きすぎて毎日拝見しています!応援してます!! (4月23日 12時) (レス) id: bd626aa164 (このIDを非表示/違反報告)
無名 - 石さん» ありがとうございます!夢主ちゃんもヒロインちゃんも喜んでると思います💪 (3月20日 9時) (レス) id: 197d152f6c (このIDを非表示/違反報告)
無名 - ーーーさん» ありがとうございます!?そう言ってもらえて嬉しいです🙏 (3月20日 9時) (レス) id: 197d152f6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無名 | 作成日時:2024年3月17日 18時