ヒロインかと思えば、親友ポジでした【d!】

二十五話 ページ26

夏休み前日。

私は特に何も無かった。

あったとすれば終業式でグルッペン先輩が話してたので立って歓声あげたくらい。

「じゃあAちゃん、また二学期にね！」

『合宿楽しんできてね』

「うん！頑張るよ！」

どうしよう。合宿イベントのコツを教えた方がいいのかな。

いや待て、攻略対象が近くにいるのに言ったらダメだろ。

うーん…まあいいや。ヒロインなら大丈夫でしょ。

そう思い、挨拶して学校を出る。

水着の好みくらいは教えるべきだったかな。


　
夏休みに入った。

合宿中のヒロインからのメールにアドバイス送ったりしながら、存分にダラダラした。

向こうの様子を写真送ってもらったりした。

「ひとらんらん先輩の育てたスイカ食べたよ」「新しく買った水着で海水浴！ビーチバレー楽しかった！」
「ロボロくん、意外と筋肉あるんだね」「夜みんなで花火！ロマンティックだったよ」…などなど。

文面から分かる通り、好感度は上げられていると思う。知らんけど。

ただ数日間全くメールが来なかった日があった。
その日はたぶん誰かの好感度が下がった。誰だろ。

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