ヒロインかと思えば、親友ポジでした【d!】

十八話 ページ19

テスト中は特に何もなかった。何かあったら困るんだけど。

ヒロインは音的に早々に終わらせた様子。

休憩時に後ろのシャオロンとここ難しかったよねーなどと言い合っている。

私も流石に真面目にした。演技せずに。わからない問題も一定数あった。

まあ、50〜60点ぐらいあるだろ。

ヒロイン勉強していないのに90点取ったりと、クソ頭良いのでどうせ学年一位。
確か、ロボロと張り合うんだっけ。


『えみりちゃん、テストどうだった？』

「まずまずって感じかな」

『私も。テスト終わったから、放課後は色々できるね…！』

「うん。またあの猫に会いに行こうかな」

『ウツくんと、仲良くした方が良いと思うけど…』

「あ、そうだね。……でもなぁ……」

『へ？』

完全なヒロインの素の声が聞こえた気がして、聞き返した。

「なんでもない。ウツくんは人気者だから、会いにくいんだよね」

『あ…』

声を落として顔を近づける。

『ウツくん、たまに屋上に1人でいる時あるよ』

「そうなの…！？」

なんで関わりないのに知ってんだ、という疑問は消して。

ハッピーエンドで終わらないと私も自由になれないんだよ。

ヒロインがハッピーエンドで終わったら、私はやっと演技をやめることができるんだから。

十九話→←十七話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す