いつか返事を ページ28
1歩ずつ後退するゾム。
それを目を丸くして見る私。
zm「まっ、、ほんまに、待ってくれ……ここで言う気やなかったのに…もっとしっかりした場所で言うつもりやったのに…」
かなり私から離れたゾムは自問自答するようにブツブツつぶやく。先程まで顕になっていた顔はゾムがフードを目深く被ったことにより見えなくなってしまった。
現在も顔を隠すためにフードを引っ張っている。
だが、それでも口元は見えてしまう。
ゾムは何かに耐えるように歯を食いしばっていた。
『あ、あの…ゾムくん』
zm「まっ待ってくれ!!これ以上俺に近づかんといて、!…これ以上やと、、心臓がもたん……」
私がゾムに近寄ろうとすると、すごい速さで止めに入ってくる。私は大人しく言うことを聞くしか出来なかった。
時間が大分経過し、ゾムも落ち着いてきたのか私に言う。
zm「…その、さっ、き言ったことは嘘やない。本当なんやけど……で、でも返事はあとで、、にしてくれませんか…」
ゾムはフードから手を離し、私に視線を向けてはさ迷わせながら一言一言伝える。
それからさらにゾムは続けた。
zm「ちゃ、ちゃんとした場でもう1回言うから。そん時に返事聞かせて欲しい」
次はちゃんと私の目を見てはっきり伝えるゾムに対して、私は"う、うん…"と彼の威圧かなにかに押され力なく返事をする。
zm「ほ、ほんま急にごめんな」
『い、イヤイヤ全然!!!』
zm「……でも、言ったからには俺アピールしてくから」
『…ン?』
zm「覚悟しとけよ」
『エ!?』
"じゃ!!"
そう言いながら彼は颯爽と教室から飛び出し、走り去って行った。
『…え、いや何のために山下くん先に帰ったの!?ちょ、ゾムくん!!?』
彼の後を追おうとするが、如何せんゾムの足が速すぎてもう見えなくなっていた。いや速すぎるだろ。
もう無理だと諦めた私は、ようやく冷静を取り戻した。
現状を把握し、一息。
そして座り込む。
ようやく動き出した心臓はとても速く波打っており、顔もだんだん紅潮してゆく。
反芻するように先程のゾムの様子を頭に思い浮かべる。
ぬあぁぁぁダメだろ!!!!
それをかき消すがごとく頭を振る。
まさか告白してくるなんて思わないじゃん!!なんかこう上手くゲームの強制力が働いて告白しないと思うじゃん!!
なんで!!?!?(混乱)
もうここは現実世界という枠組みになった…ってこと!?
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ふらんすぱん - 大好きです! (4月29日 10時) (レス) id: 37d11ec695 (このIDを非表示/違反報告)
たまこ(プロフ) - 初めから今まで一気に見てしまいました!!本当に面白すぎます!!ニヤニヤしてみました!!これからも応援してます!! (1月15日 20時) (レス) @page30 id: 234b29bb43 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - んふふふ好きです!!これからも無理せず頑張ってください (12月28日 6時) (レス) @page27 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
カフェラテ好きののあ。 - お、山下くん?もっといけ!山下くん!!!(もうこの回で山下君推しになった)(でもzmさんも好き) (12月26日 10時) (レス) @page26 id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
樹乃(プロフ) - あらあらあらあら…?山下くん?これは?おっと? (12月18日 5時) (レス) @page25 id: df66a330f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆーりんち | 作成日時:2023年10月12日 12時