ガタガタ ページ14
em side
俺が別れを言おうとした瞬間、Aさんが倒れる。
ちょうど目の前にいた俺がAさんを支えた。
em「エッ、ちょッ、Aさんッ!?大丈夫ですか!?」
『う"ぅ……す、すみません……まともに立ってられなくて……』
呼びかければ辛うじて返事は返ってくるものの、辛そうなことに変わりはなかった。
だから来る前中が騒がしかったのか。
そう1人で納得するが今はそれどころでは無い。Aさんを部屋まで運ばなければ。
さすがにこのまま放置するほど俺は終わってはいない。
いやだがめちゃめちゃ緊張する!!
おいこちとら少ないんだぞ女子の家に入るの!!!ましてや今の状況も宜しくないんやからな!!!
誰にも聞かれないのにひとり心の中で言い訳を繰り返す。
そして俺はAさんを運ぶために、あくまで運ぶために中へと入った。
___
in 蓬の部屋
Aさんに部屋の場所を訪ね、教えてもらい、部屋まで何とか連れてくることが出来た。
中に入れば、その部屋は思っていたよりも女性らしくはなかった。
言い方が少し悪いが勘違いしないで欲しい。
俺は女性の部屋の内装はピンクで統一され、ぬいぐるみやらなんやらで可愛く飾ってあるものだと思っていた。
その例が俺の中で唯一入ったことのある藤井さんの内装だった。
だが、Aさんの部屋はそこまでキラキラしておらず、色が抑えられている。
いわゆるレトロというもので、落ち着いた雰囲気のある部屋だった。
結構俺が好きな雰囲気でもあった。
ひとり感嘆しながらAさんをベッドの側まで連れてゆく。Aさんは一言俺にお礼を言うとそのままベッドに潜り込んだ。
"いえいえ"なんてニコニコしながら言ったが内心バクバクである。早く帰らなければ身が持ちそうにない。
やけど直ぐに帰っても薄情なやつやと思われそうやな…
そう思った俺はAさんに話しかける。
em「あの…、体調は大丈夫ですか…?」
いやさっき倒れたんやから大丈夫な訳ないやろ。
我ながら下手くそな質問に自分でツッコミを入れる。
だがAさんはマスクで口元を隠しているが、目元を緩ませるのが分かった。
『ちょっと、、いまは大丈夫ではないですけど……気合いで治します……』
あまりにも矛盾している言葉と様子に、胸を打たれたごとく激しく心臓が波打った。
直感的にここは早く帰った方がいいと感じた。
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ふらんすぱん - 大好きです! (4月29日 10時) (レス) id: 37d11ec695 (このIDを非表示/違反報告)
たまこ(プロフ) - 初めから今まで一気に見てしまいました!!本当に面白すぎます!!ニヤニヤしてみました!!これからも応援してます!! (1月15日 20時) (レス) @page30 id: 234b29bb43 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - んふふふ好きです!!これからも無理せず頑張ってください (12月28日 6時) (レス) @page27 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
カフェラテ好きののあ。 - お、山下くん?もっといけ!山下くん!!!(もうこの回で山下君推しになった)(でもzmさんも好き) (12月26日 10時) (レス) @page26 id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
樹乃(プロフ) - あらあらあらあら…?山下くん?これは?おっと? (12月18日 5時) (レス) @page25 id: df66a330f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆーりんち | 作成日時:2023年10月12日 12時