59話 ページ9
ut「ん?」
休憩タイムに入り、早い者勝ちの日陰に
走っていた時か弱い力で背中を捕まえられた
誰?と振り返ればそこには
顔を真っ赤にしたAが、
目を潤ませていた。ふらついた足元や
焦点の合わない瞳孔。あきらかに
熱中症の類や
そして、
「うつ」
「なんでもするから」
「むねかして」
ut「!…A、大丈夫か?」
ut「せん……ちょっと待ってろ」
ut「コネシマ!」
ut「俺、Aを保健室に連れてくわ!」
kn「!…トントンは任せろ」
ut「すぐつくからな…」
トントンに叫ぶ作戦を思いついたが
Aなら絶対嫌がると確信して消去
次にペ神に叫ぶ作戦も思いついたが
同上で削除
俺の体力じゃお姫様だっこもおんぶもできひん
幸いAと俺は人混みから離れたところ
だったので人が通らん裏ルートを
使って保健室に向かう
暑い手、火照った顔
…こういう時でも興奮してしまう自分に
腹が立つわほんま
「…ちる……」
ut「え?だれそれ」
「…」
ut「…」
保健室についた。中には、何人か
生徒がいたが全員しんどそうにしていたので
Aのことに気づくことは無さそう
ペ神センセーが顔を真っ青にして
Aを抱き上げ急いで奥のベットに
寝かせた。《予約》と書いてあるのに
いいんやろか
sn「いつからこうだった?」
ut「さっき、急に俺をつかんで助けてって」
ut「…こいつ飯も水もほとんど食ってないから」
ut「きっと栄養不足ですよね」
sn「…せやね」
sn「ありがと。名前は?」
ut「鬱っす」
ut「トントンセンセーには伝えてるんで大丈夫やで」
ut「…俺もいてええ、?」
sn「…気分が悪いなら、いいよ」
ut「…」
sn「…」
濡れ布巾を絞る手が痛い。
目頭に涙が溜まってきた。
揺れた視界の中で氷や水、タオルを
用意してAのところに向かう
戒めのつもりで言ったのに、Aは
倒れた。この酷い顔から相当耐えていたに
違いない
…俺が、もっと無理にでも止めたら
よかったんや
好きな人を守れんとか、なんで免許
とったん…?
…
sn「…」
ut「…病院、いかんでいいんすか?」
sn「…酷くなったら呼ぶ」
ut「…」
sn「鬱…くんだっけ」
sn「君は、Aの友達なの?」
Aをつれてくる人を初めて見た。
彼は、その言葉に一瞬目を見開いたあと
Aの方を向いてポツリ
ut「ダチです。俺が今年初めて達になったんです」
sn「…」
315人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あちき | 作者ホームページ:http://33550619
作成日時:2024年3月28日 22時