64話 ページ14
em「！！…」
皆さんに囲まれたAさんは
戸惑いながらもあるひとつの食材を
手に取った。
え、あの、Aさんが、お昼ご飯…を、
「…何見てるんすか」
em「え、あ、た、食べてくれるんだ…って」
「…」
「倒れたくないから」
em「いいと思いますよ！」
「…」
───
zm「うまうま」
rbr「相変らずでかいよなお弁当」
zm「お前のも大概やろ」
ut「ふふん、今日も新作クリームめろsha「それ飽きたut「へ」
kn「A。昨日の残りを詰めたで。上手いやろ」
「うん」
em「…」
不良のふりしてきたAさんの
こうやってお友達と食べる姿が見れるなんて
思わず涙がこぼれそうになった
…少し、寂しい気もしますけどね
貴方と2人きりの時間も好きでしたから
というかその前に
zm「Aは、その食パン1枚なん？」
「うん」
rbr「え、少なすぎひん？ダイエット？」
「別に」
「…」
「…」
ゾムとロボロの終わりのない質問に
根負けしてしまったAは、金が
ないからこれにした。とだけ告げた。
zm「え、なら俺のやる」
rbr「俺もええよ」
「いらん」
「それは、2人の親御さんが2人に作ったんやぞ」
「俺は、これでいいの」
kn「…」
こんなに上手い弁当が作れるのに
自分には冷たすぎひんか
てか、その食パンボロボロやん。絶対
安いやつやろ
em「…」
やはり人のおかずを食べるのは
しないか。
可能性の沈没を見届けたあと
ほんの少しだけ安堵してしまったお弁当を
頬張る。……なんで安心したんや俺…？
kn「ほい。食え」
「いらないkn「くえ」
「んぐｯ？！」
em「！」
コネシマ？くんがAさんの
口を開けさせほぼ無理やり卵焼きを
詰め込んだ。Aさんは咳き込みながら
飲み込み何をするんだ、とご立腹
kn「お前、こんな上手いの作れるんやからなんで自分に使わないねん」
zm「え、それAが作ったん」
kn「せやで。火曜と水曜はAの飯やねん」
zm「え、いいな」
sha「はい、A。あーん？」
「いらないってsha「好きやり！」
「ん……」
今度は、…ミートボールを詰められた。
久しぶり食べた肉の食感になんとも言えない
感情が渦巻く
こんなに甘かったッけ。…
sha「食え食え！」
「…もういらんからut「えい」
「……」
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作者名：あちき
| 作者ホームページ：http://33550619
作成日時：2024年3月28日 22時
