【d!】時計の針は巻き戻る

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貴方side


その為に私の年齢でも、結婚する事に親の許可は要らない。相手が総統なら尚更だ。


書き終わった書類を書記長に回して、許可を貰えれば無事に成立と言う訳だ。


普通は書記長では無い人に許可を貰うらしいが、総統の結婚は例外なのだ。


書類を全て書き終わる頃にはすっかり夜になっていた。部屋のお風呂に入り、寝る支度を整える。


彼はまだ眠くなさそうだが、私は子供の体だからか普段より眠気が強い。


Gr「ではそろそろ寝ようか。明日も忙しいだろうからな。」


初めてのふかふかなベッドの上は心地よくて、直ぐに眠りに落ちた。


朝になり、体に重みを感じた。目を擦ると目の前にグルッペンの顔があり、少し驚いた。


寝ている彼は綺麗過ぎて、人形の様に見える。…そう言えば彼も私を人形みたいだと言っていたな。


彼に抱き締められたこの状態では、起きるのは困難だ。かと言って起こすのも悪いし…。


思考を必死に巡らせて、辿り着いた結論は彼の顔を眺める事だった。


他にする事も無いが、二度寝する気にはなれない。その金髪に柔く触れると、ぴくりと体が動いた。


彼は小さく頭を振って、身体を起こした。私の顔を視界に入れた彼は口元を緩めて微笑んだ。


Gr「おはよう、A。」


『…おはよう、グルッペン。』


人と挨拶を交わした経験が殆ど無かった為、少し反応が遅れてしまった。


ベッドから起き上がり、朝の身支度をする。着替えるスペースがあって助かった。


シンプルなドレスを着て髪を結い、鏡で姿を確認する。特に可笑しな点は無かったので良いだろう。


支度が終わったら彼に手を引かれるまま、昨日の食堂へと向かう。まだ数人居ない様だ。


暫くして、バタバタと三人程が入ってきた。どうやら遅刻は何時もの事の様だ。


Tn「お前等…もう10分は過ぎとるんやぞ！早よ席に着けや！」


トントンさんが怒鳴ると、全員が席に着いた。そして食事が始まったのだが…。


？？「それ俺のやぞ！」


？？「もう食えへんから…！」


？？「まだまだいけるやろ？後少しやで！」


もの凄く騒がしい。食事中にも関わらず、食器が飛び交うとは何事なのだろうか。


しかも何故だか吐きそうな人の皿に、料理を盛り付けている人までいるし…。


Tn「ごめんなぁ、王女様。俺等には日常茶飯事やねんけど、何時もこんな感じなんよ。煩いやろ？」


向かい側に座っているトントンさんは、申し訳無さそうにそう言った。

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